もう、泣きそうです・・・晩夏の有明
切なくも素晴らしい試合を観てきました。 何度目かの、有明アリーナです。
嵐の後の東京は涼やかな風に包まれていましたが、アリーナ内部はやっぱり
熱かったです。
有明はやはり遠く(自宅からは)、3時半試合開始だったので、第一試合に
かろうじて間に合いました。
4階、いちばん安い席ですが、有明アリーナは観やすく、快適です。
☆日本スーパーバンタム級タイトルマッチ 10R
下町 俊貴(グリーンツダ)VS 津川 龍也(ミツキ)
3-0 (96-93×2,97-92)下町選手
下町選手の勝ちに間違いないと思うけど、5ポイント差は?
下町選手のダウンもあったので、3くらいじゃないか・・・と思ったのですが。
終盤、思いがけないダウンを喫した下町選手に会場は騒然。
そこから、試合が熱く、面白くなりました。
津川選手、挑戦者らしい勇気あるファイトで、前回の挑戦者、石井選手を
彷彿とさせましたが、終盤は下町選手の冷静で老獪なボクシングに
差をつけられ、残念でした。
2戦続けてひやりとした下町選手、チャンスがあれば世界戦と思っていたが
今日の内容では・・・また一戦一戦頑張ると語りました。
☆OPBF東洋太平洋・APアジアパシフィック ウェルター級タイトルマッチ 12R
佐々木 尽(八王子中屋)VS カミル・バラ(オーストラリア)
7R TKO 佐々木選手
実は、私のいちばんの目当ては尽選手なんです。
それが、到着したばかりの2試合目でもう登場とは・・・心の準備が・・・!
日本初登場のバラ選手、身体は超ムキムキだけど、お顔は意外とオジサンじゃん(横浜弁)。
相変わらず、派手に登場の尽選手、ただ気合入り過ぎの表情。大丈夫かな?
序盤から、バラ選手のボディを狙い撃ち! バラ選手がその攻撃ぶりに
ビビッている様子がわかり、ほっとしました。
これなら早く終わりそう・・・そう思ったのですが。
しかし、バラ選手の忍耐強さは半端なかった・・・しかも、だいたい毎回
そうなのですが、尽選手、猛攻撃とは裏腹に、急に防戦一方、あるいは
無防備になって相手にかなり打たせる場面があるのです。
後ろの席からも、見栄えが悪いな~の声が。
なんかもう、それがハラハラで・・・少し休んでるのかな?あるいは、
『死んだふり』作戦?などと勘ぐってしまいます。
そんな思いを一掃させるかのように、また突如バラ選手に襲いかかって、
こんどはもう、止まらない!!
やっぱり、さっきのは休んでいたのね?(と、思い込む)
まぶたからも出血、鼻血も出て顔面真っ赤なバラ選手、それでもひるんだ
後に、また打ち返してくるんです。
(ハラハラしてるので試合中の写真は撮れずすみません)
6Rに追い詰め、もうこんどこそ大丈夫!
ついに7Rに激しい連打の末レフェリーストップとなりました。
バラ選手に、いつも通りひざまずいて健闘をねぎらい、四方に向かって
丁寧に頭を下げました。
去って行くバラ選手にもありがとう!と呼びかけ。
見かけによらず?(すみません)、礼儀正しいところも尽選手の魅力です。
スクリーンに映ったほうを撮ったら、お顔に線が入ってしまいました(すみませ~ん)。
『アーティスティックに倒したいという希望通りにはいかなかったけど、
大きな会場で、俺の事も知ってもらえたと思う』と尽選手。
世界が目前になったのでは?との問いに、目前はもちろんだけど、と
英語で『世界戦がしたい』と強くアピール。
さらにそのあと、前回の後楽園ホールに続き、キメ言葉『待ってろ世界!』を
会場のお客さんに二度復唱させ、(けっこうみんな大声で復唱してくれてた)
満足げに帰って行きました。
尽選手、倒しぶりも巻き込むのも強引だけど、どうしてもついて行っちゃう。
う~~ん、これからもハラハラしながらついて行きます!
◇セミとメインは『続きを読む』に
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☆WBA世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦 12R
平岡アンディ(大橋)VS イスマエル・バロッソ(ベネズエラ)
9R TKO 平岡選手
41歳とはいえ、暫定王者のバロッソ選手。
冷静な平岡選手にとっては、軽いのではないか・・・と思い、前の試合の
尽選手の緊張が解けたので、途中、ついうとうとしてしまいました・・・。
感想が言えず、すみません・・・
無駄な動きも無く、、安心して観ていられるところはスゴイです。
これで世界挑戦が決定に。
お父さんのジャスティストレーナーは飛び上がって大喜び。
だいぶ~昔の話ですが、ジャスティスさんは花形ジムでトレーナーをされていて、
当時花形ジムにトレーニングに通っていた私は、けっこうお話していただきました。
当時はみんなにジェスティーさんと呼ばれていましたよ。
もちろんアンディさんはまだ坊やでした。 こんなに強くなるなんてね。
☆WBO世界バンタム級タイトルマッチ 12R
武居 由樹(大橋)VS 比嘉 大吾(志成)
3-0(114-113×2,115-112) 武居選手
尽選手と並び、こちらも楽しみだった試合。
おそらく、そういうかたが多かったのでは?
比嘉選手はふだんと同じ、Tシャツだけの飾りっ気無いスタイルですが、
武居選手は今回もファッショナブル。 そのあたりも対照的です。
試合開始、すぐに打って出たのは比嘉選手。
初めから、バリバリに仕掛けてきて、早くも会場は沸き始めました!
共にかなりのハードパンチャーですが、センスで打ち込む武居選手と、
力で圧倒する比嘉選手、お互いに無いものでぶつかり合っていきます。
会場の声援は初め、武居選手がほとんどでしたが、次第に比嘉選手の
応援の声や、沖縄の指笛も加わって、激しくなっていきました。
前半は武居選手のスピードや巧さが上なのかなと思いましたが、比嘉選手の
思い切った攻撃に武居選手が立ち往生してしまう場面も。
私は以前はずっと比嘉選手を応援していて、たくさん試合も観ていました。
途中からちょっと離れてしまって、今はどちらかというと武居選手の応援でした。
しかし、比嘉選手の真っすぐな情熱と、激しい攻撃ぶりに心を打たれて
しまいました。
どちらにも負けてほしくない。そう思ったら、切なくなります。
11R、武居選手がダウン。 ちょっと、ダウンらしくない、あれ?スリップかなと
思うようなダウンで、違う!と武居選手も抗議していました。
このダウンがあった後、武居選手の猛攻も凄かった。
ラストラウンドは、息を吞むような激しさで、前の試合のラストからは
想像できない、武居選手の怨念みたいなものを感じました。
ゴングとともに、抱き合う二人。
武居選手もひざまずいて、比嘉選手になにか話しています。
去って行く比嘉選手には、会場から溢れるような拍手が・・・。
比嘉選手も両手を上げて応えます・・・心残りは何も無いというふうに。
武居選手のインタビュー。
『大吾さんは自分の持っていないものをたくさん持っていて、それをぶつけて
闘ってくれた。大吾さんのおかげで、自分はさらに進んで行くことができます。
大吾さん、ほんとうにありがとう』
ちょっと違うかもしれませんが、こういうような趣旨の事を、せつせつと
述べました。
さらに、10月に試合する天心選手にエールを送り、いずれは天心選手と
闘いたいことを示しました。
そうなったらどうだろう・・・?
また、悩むことになりそうですが、やはりそれは素晴らしいことですよね。
☆世界スーパーバンタム級4団体統一王者防衛戦 12R
井上尚弥(大橋)VS TJ・ドヘニー(アイスランド)
7R TKO 井上選手
セミの興奮冷めやらぬ感じですが、まもなくメインが始まりました。
心なしか?モンスター選手の入場の表情が暗かったので、ちょっと
気になりました。
でも、ドヘニー選手なら、ささっと序盤に倒してくれるだろうと思ってしまい、
モンスター選手が意外と慎重な展開だったので、あれ?なんで?と
ちょっと驚きました。
しかしボディもかなり効いてきて、そろそろ倒すかな?と思った7R、
ひとしきりパンチを浴びたところで、急にドヘニー選手が腰を曲げて、
腰痛により、戦力不能に・・・!
その時点で井上選手のTKO勝利に。
こんな・・・倒し方もあるんですね!(・・・って、倒れてない)
周りからは、おじいちゃんか~~という声が飛んでいました。
モンスター選手、『みなさんの満足する試合でなかったと思いますが、
まあ長い日々の中では、こういうこともあります』と、語っていました。
3時半に始まって、終了は9時過ぎ。
長く、濃い、興行でした。
外に出ると小雨も止み、ひんやりとした空気の中、新豊洲駅への道を
たくさんの人の群れと共に進みました。
セミが良かったな!という声があちこちで聞こえました。
ボクサーはやはり素晴らしい。 闘う人の喜びと切なさをひしひしと、
噛みしめながら海沿いの道を歩いて行きました。
次は、ケンシロウ選手の有明アリーナです。
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